株式譲渡契約書ガイド

2007年08月10日

譲渡自由の原則と例外

◆譲渡自由の原則

以下の2つの観点から、株式譲渡自由の原則が認められているようです。

・株式会社において、株主は間接有限責任を負うのみ(104条)であり、債権者(特定人(債務者)に対して、一定の給付をなすべきことを請求しうる者)は株主に会社債権を直接請求することは許されず、会社財産が引き当てとなるのみである。従って、株主にその出資(会社財産)の払い戻しをすることは原則として認められない。

・株主に、リスク回避を認める必要があります。会社にとっても債権者にとっても、出資さえあれば、株主が誰であるかは基本的に問題がありません。



◆譲渡自由の例外

日本では、株式会社の中でも規模が小さい閉鎖的な会社が多数存在していいます。たとえば、知り合い同士や家族で設立・経営している会社も多いです。このような場合ですと、多くの不特定多数の人が株主になるという状況は、よくありません。

これを受けて、会社法は定款で株式に譲渡制限を付することを認めています。
(107条1項1号、108条1項4号)

また、他にも株式譲渡自由の例外があります。以下のような点が、譲渡自由の例外としてあげられます。

・会社法は株主名簿の整備や株券発行事務の渋滞を防ぐため、新株発行前または会社成立前の株式引受人の権利株の譲渡を、会社に対して対抗できないと定めています。
(35条、50条2項、63条2項、208条4項)

・子会社を使っての不当な株価操作等を防止するため、子会社の親会社株式の取得を原則的に禁止しています。(135条1項)
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株式譲渡契約書 書式

株式を譲渡する場合の書式です。

株式の譲渡については、当事者間で契約をしただけではなく、会社に対して、一定の届出をしなければ効力を生じないので注意が必要です。
また、株式について、譲渡制限のある会社の場合は、取締役等の同意が必要になります。

株式譲渡契約書の書式は、ネット上でいろいろ公開されていますので、検索して活用してみてください。「株式譲渡契約書 書式」で、検索すると見つけられますよ。


会社の買収には、株式譲渡と資産譲渡の2種類あります。株式譲渡の場合は、会社の全ての権利と義務(負債・債権・許認可等)を承継します。株式譲渡の場合には、会社の全ての権利義務(負債・債権・許認可等)を承継します。貸借対照表(バランスシート)には、掲載されない簿外債務がある時がありますので、株式譲渡契約書で縛っておく必要があります。

会社買収と社長の変更は関係がありません。会社は、株式所有者と株式所有者から経営を任されている社長との関係で成り立っています。もし、あなたが会社の株式を全て買収した場合は、あなたの意思で社長になることができますし、他の誰かに社長を任せることもできます。

株式譲渡契約をする際は、以下の点に注意をしていきましょう。また、株式譲渡契約は、専門家と相談しながら進めていきましょう。

◆株式譲渡契約書を交わす前に確認するべき注意点
(1)負債の金額がどのくらいあるかと、返済が可能なものであるか返済条件を確認する。
(2)資産の時価を確認する。
(3)簿外債務・訴訟がないかを確認する。
(4)買収によって従業員がいなくなるなどの危険がないかを確認する。
(5)株主変更による、契約解除や許認可解除される業務などがないかを確認する。
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株式譲渡の制限

◆株式譲渡制限とは

株式の譲渡制限とは、定款に株式譲渡の自由の例外として制定することで、株式を譲渡する際には、承認権限がある機関による決議必要とする制限を設置することです。(会社法107条2項1号、108条1項4号、108条2項4号)。目的は、好ましくない人が会社経営に参加することを防ぐためにあります。例えば、同族会社など株主が少ない中小企業では、各株主が持つ株式の割合が大きくなりがちなため、ある株主が同族以外の誰かに株を売ってしまうと、全く知らない人が突然大株主となるといったことも考えられます。
このような事態を防ぎ経営を安定させるために、株式譲渡制限の制度が設けられているのです。

※株式譲渡の自由とは、出資者の投下資本回収のため、いつでも自由に株券を譲渡することができるとする権利のこと(会社法127条)。



◆株式譲渡の承認

承認権限がある機関とは、これまでの商法では取締役会を承認機関と定めていましたが、現在では、定款の定めにより他の機関(例:株主総会)を承認機関とすることができる(会社法139条1項)ため、取締役会を設置している会社では取締役会、取締役会を設置していない会社では株主総会を原則的な承認する機関としています。

譲渡制限がある株式が、承認権限がある機関で、株式の譲渡を希望する者の株式譲渡が承認されない場合は、譲渡希望者は、会社もしくは会社が指定する者に買取を請求することができます。会社が買い取る場合の譲渡価格は1株当たり、純資産額(資産合計から負債合計をマイナスしたもの)となります。

新たに譲渡制限を付す場合は、譲渡制限を付すことに反対の株主を保護するために、反対する株主には株式買取請求権が与えられます(会社法116条1項1号、2号)。
また、普通株式に譲渡制限を付すためには、その普通株式を取得の対価とする取得請求権付株式および取得条項付株式の株主の種類株主総会の特別決議も必要となるります。(会社法111条2項)。

種類株主総会とは、権利内容の異なる2種類以上の株式を発行している日本の株式会社において、特定の種類株のみの株主を対象として開催される株主総会を言います。



◆新会社法では

現在、中小企業のほとんどが、自社の自営権を守るために株式の譲渡制限をつけていますが、新会社法では、株式譲渡制限会社の自由度が大幅に広がります。新会社法では株式の譲渡を制限していない会社のことを「公開会社」とし、それ以外の会社を「公開会社でない株式会社」(株式譲渡制限会社)としています。

このうち、公開会社の規制は従来と変わりませんが、「公開会社でない株式会社」については今まで3人以上必要だった取締役が1人だけでもよい、取締役会の設置も任意、取締役や監査役の任期も最大10年まで延長可能になるなど機関の自由度が広がりました。
posted by 株式譲渡契約書 at 00:38| 株式譲渡契約書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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